事業報告

2009年度事業計画

 

 アメリカ発の不況は世界を揺るがし、わが国でも小泉構造改革による市場原理による競争、規制緩和政策の中で生まれた派遣労働者など、多くの不正規労働者が町に投げ出されました。

  政府は、在日米軍再編などに多額の費用を支出し、一方で社会保障費を抑制し、医療・介護など国民負担を増大させながら、全国の福祉・医療施設の経営基盤を危機的状況に陥れています。

  また、大企業は多額の利益を蓄積し、株主には高額配当を保障しながら、一方で労働者には解雇を押し付け、その上にワークシュアリングを企図しています。

 

 1、社会福祉の充実は、国民の暮らしを豊かにし、雇用を生み出し不況を克服する一つの方策といわれております。後期高齢者医療制度の廃止や、住民の要望にかなった介護施設の充実等を目指して島根県社会保障推進協議会に結集して活動を進めて参ります。

 

 2、組合員の要望を聞きながら医療・健康を守るために一層努力をしていきます。構造改革による規制緩和と競争の仕組みは、人々の心まで奪い去ったような状況です。

  協同組合の原則を確かめ合いながら心豊かな組織として活動を進めてまいります。

 診療所経営は、政府の政策が定まらない状況の中で極めて厳しい状況に変わりはありません。経費節減に努めながら健全経営を目指して取り組んでいきます。

 

 3、法人基盤の安定は諸活動の最重要の課題です。組合員拡大と出資金の増額を取り組みます。

  「ふれあい喫茶」を継続しながら更なる行事を探求し、組合員の健やかで豊かな暮らしのために取り組みます。

  役員会も必要に応じて逐次開催し、当面の課題について検討しながら事業展開が効果的に進むよう努めます。また、必要に応じて学習にも取り組みます。

 

 2008年度事業報告

 

 昨年の220日に24回定期総会をひらき、事業計画を立てて活動を進めてまいりました。本年度の当法人をめぐる情勢の特徴は、国の社会保障費2千2百億削減政策に基づいて4月より後期高齢者医療制度の発足と診療報酬の改定と、老人保健法による基本検診が廃止をされたほか、昨年度に引き続いて診療報酬査定による減点がなされたことです。

  当初の予算編成の見込みがたたないような、極めて厳しい状況下での活動となり、大幅な赤字決算を計上する結果となりました。このような中で役員の皆さんをはじめボランテアの皆さんのご協力により事業を継続してまいりました。

 

 1、後期高齢者制度の発足による高齢者の医療費負担、自立支援と称した障害者の負担増、国保料滞納で保険証の発行をうけられないために子供の受診が出来ない事態がおきるなど、国の施策に国民の怒りは激しく、収まる状況ではありません。

  この状況のもとで島根県社会保障推進協議会に参加して、議会請願や県、市町村当局との懇談等、県民とともに進めてきました。引き続いて社会保障の充実を目指す活動を進めなくてはなりません。

 

 2、診療所経営については、健全化に向けて努力をしてまいりましたが、10ヶ月前の診療報酬が減点される中で、全く見通しの立てられない状況が続きました。また、緊縮見込み予算を組み努力をしてきましたが、大幅な赤字決算となりました。

  この要因は、診療報酬改定と老健法に基づく基本検診廃止、後期高齢者制度の導入等によって報酬が低く抑えられるた結果、減収が生じたことです。しかし、年度末には収入が一定の状況になりつつありますが、予断を許さず引き続いていっそうの努力が求められます。

 

 3、法人基盤の安定と活動を強化する為に、組合員と出資金の拡大を取り組んでまいりました。組合員の医療と健康を守る為に努力をし、施設利用組合員の生活領域の広がりを求めて「ふれあい喫茶」を、他の協賛事業を含めて12回開催。ボランテアの皆さんの献身的な協力で一つ一つ成功させることができました。

  理事会は5回開催し、事業及び予算の進捗状況を検討しながら医療情勢など学習しあい活動を進めてきました。

2008年度事業計画

 

1.本年度も極めて厳しい情勢であります。

 政府は、高齢者の医療確保に関する法律を制定し準備をしてきましたが、いよいよ4月1日からスタートします 。

これまで老人保健法で実施をしてきた基本健診を止め、特定健診に切り替え40歳から74歳までを対象として健診でメタボリックシンドローム削減を図る計画です。

また、この事業に株式会社など営利企業の参入を認めようとしていることは重大です。後期高齢者医療制度も政府の当初計画が明らかになるにつれ、国民の怒りが広がる中で、個々の経費に関わる部分について先送りなど修正の動きがあります。

しかし制度の本質は変わるものではなく、制度の中止・撤回を求めて活動をします。島根県社会保障推進協議会に参加し県民と共同して効率的な活動を進めます。

 

 2.組合員の健康と医療を守るために要望を聞きながら一層の改善をはかるよう努めます。

 診療所の運営は本年度も極めて厳しい情勢です。

 一つは後期高齢者医療の診療報酬が未確定であること。

 従来からの基本健診が実 施されないことから具体的な予算が組めないことです。

 経費節減に努め健全経営のために予算達成に努力をしていきます。 

 

 3.法人基盤の一層の安定化を図るために組合員の拡大、出資金の増額を取り組んでまいります。

 「ふれあい喫茶」を継続し施設利用組合員の生活領域の広がりなど豊かで健やかな暮らしのためにとりくみます。

 理事会も必要に応じて逐次開催し,当面の課題について検討しながら事業展開が効果的に進むよう努めます  また、必要な学習にも取り組むようにします。

2007年度事業報告

 

今年度の当法人に関わる高齢者の医療政策、及び診療所経営にとって診療報酬減点が継続するなど実に厳しい状況の下での活動となりました。その中で,役員をはじめ関係者の方々ボランテイアの皆さんのご協力により当初の事業計画を達成することができました。

 

 1.老人医療をめぐっては、島根県でも「後期高齢者医療制度」の準備が進められました。逐次、内容が明らかになるにつけ怒りが広がりました。

 後期高齢者医療の在り 方に関する特別部会は、国民が75歳以上になると、 ()治療の長期化、複数疾患(特に慢性疾患)への罹患がみられる。()多くの高齢者に認知症が見られる。()この制度の中でいずれ避けることのできない死を迎える。と基本的な考えをまとめ、医療費を抑制するために世界に例を見ない、年齢による分類で制度化を図りました。医療に差別と排除を持ち込み「姥捨て山」といえるものです。

 島根県社会保障推進協議会に結集して介護保険県連合会長との懇談、県内各議会への請願(陳情)を取り組んでまいりました。島根県では3市町で請願を採択、全国では465の議会が制度の見直し、中止・撤回の意見書を可決し、世論が大きく広がりはじめています。

 

 2.診療所運営では昨年に引き続き診療報酬の減点が継続する中で、緊縮予算を編成し健全経営を目指しました。

 収支費目全体の洗い出しを行い節約に努めました。同時に組合員の健康・医療を 守ることに努め、一定の役割を果すことができました。関係者の皆さんのご理解とご協力のおかげで当初予算を達成することができました。

 

 3.法人運営の基盤を強化するため組合員拡大に努め、関係者のご協力を得て一定の成果をあげることができました。

 組合員の皆さんに好評を得ての「ふれあい喫茶」は本年度も毎月実施してきました。協力をいただいているボランテア・関係者の皆さんと交流会などを実施してきました。

  

 4.理事会は本年度5回を開催し、事業の進捗状況、診療所経営の状況について検討 しながら時々には老人医療をめぐる情勢など学習を行って参りました。

2007年度事業計画

 

1.本年度も当法人を巡る情勢は極めて厳しいものがあります。規制緩和の下で社会保障政策の実質的な解体と民間主導のアメリカ型保障への方向転換が見えてきます。

 来年からのスタートを目指して「高齢者医療制度」の準備が始まりました。これは老人医療費の抑制を図るために75歳以上を対象にした保険制度です。各県が運営するこの制度を維持するために医療費抑制が一段と強化されることは推測できます。

また、厚生労働省はこの制度を機に外来診療報酬を定額制にする方針を固めたと伝えられています。高血圧や心臓病、関節障害など特定の慢性疾患の患者はあらかじめ医療 機関を選び、そこで一定回数を受診するとそれ以上は何回受診、検査を行っても診療報酬を定額とする方法が考えられています。さらに入院も大病院で実施してきた1日あたりの定額制を、今度は1回あたりの制度にしようとしています。75歳以上の医療費は 9兆214億円で、医療費全体の28パーセントを占めると宣伝し、抑制を図ろうとしていますが、身体の衰えで病気のひとつふたつ抱えており、平均寿命が伸びて医療費がかさむのも当然です。人間の尊厳をかけた運動として島根県社会保障推進協議会に参加 して運動します。

 

 2.組合員の要望を踏まえて健康・医療のために一層の役割を果たすと共に、極めて厳しい状況にある診療所経営については、全体を洗い直しながら節約を努めて健全経営になるよう努力し、予算の達成に努めます。

  「ふれあい喫茶」を継続し、健やかな暮らしのためにさまざまな取り組みをすすめます。本年3月から小規模多機能型施設が開設されます。友の会なども結成されていますが、これらとも連携しながら活動して参ります。

 

 

 3.法人基盤の安定をはかるために引き続いて組合員拡大を図ります。理事会も事業展開について積極的に議論し、効果的に事業が展開するように努めて参ります。

2006年度事業報告

 

1.政府の社会保障制度解体を企図する医療・福祉制度の改革は医療受診者や介護利用者 の本人負担が大幅に増加しました。その結果、受診を減らし、介護の利用を控える実態 が始まっています。4月の診療報酬改定は、全体で3.16パーセントのマイナス改定 になり、療養病床の廃止やリハビリを中断するなど社会問題となってきています。この ような中で、島根県社会保障推進協議会に参加し、福祉・医療を守って欲しいと議会請 願や市町当局に申し入れるなど活動をおこなって参りました。

 

 2.厚生労働省の政策に関わって診療報酬が減収となり、予算を達成することができませ んでした。併せて診療報酬請求のミスも発生し、本年度事業は大幅な赤字になりました。 06年8月には05年10月から12月分の査定通知があり、約1年近く遅れての通知は 経営に大きな支障を招くと、国保の審査会に申し入れましたが、制度上は当然との回答がありました。しかし1年近く遅れるような事態が常態化するようなことは許されず、 引き続いて改善を求めていきたいと思います。  

 

 3.継続して取り組んでいる「ふれあい喫茶」は、12月に風邪が流行し中止しましたが、 その他の月は完全に実施して大変に喜ばれています。

 長命園では、新しい事業として小規模多機能型施設を準備しました。私たちも法人を 取り巻くネットワークの位置づけをして「友の会」の結成などに協力をして参りました。

 

 

 4.本年も監事も含めた理事会を5回にわたって開催し、必要事項を協議決定して運営してきました。

2006年度事業計画

 

 1.本年度の当法人を取り巻く情勢は、依然として厳しさが続いております。 医療費抑制策は、高齢者医療制度の導入(70歳以上のかかった医療費の2割を自己負担)を実施しようとしています。 医療費の一線をになっている診療所に対する診療報酬の切り下げでは、地域住民医療が崩壊する事態が予測されます。 医療機関が自由にできる「混合診療」の全面解除を巡り、公的保険の効かない診療部分について、当面は特定療養費制度の拡大をすすめようとしています。

   このような状況のもとで、島根県社会保障推進協議会に参加し、地域住民の方々と共に運動を進めます。

 

 2.組合員の健康・医療のために、引き続き組合員の要望を聞いて実現に努めます。健やかな暮らしのために「ふれあい喫茶」を取り組み、また、昨年の理事会で議論をした食事会、麻雀、カラオケなど実施できるよう検討をおこないます。

 

 

 3.法人基盤安定のために出資預かり金の整理ができるように努力をして参ります。湖南診療所の運営については経費節減に努め、予算案達成を図ります。

2005年度事業報告

 

 

1.昨年の総会で定款を改定し、懸案であった課題を一つ整理することができました。 当法人を巡る情勢として社会保障制度の解体縮小政策の下で、国民負担の増大を求めた医療制度の改悪が実施されました。とりわけ高齢者・障害者福祉の制度について、島根県は全国にさきがけて福祉制度の切り捨てを実施しました。

   私達も社会保障推進協議会に結集して制度の切り捨てに反対をし、活動を行いました。県議会に対しての請願、県知事への申し入れと交渉・署名を取り組みました。残念ながら現行制度の存続はできませんでしたが、低所得者に対する助成制度等を実施させることができました。運動の成果と考えられます。

 

 2.法人運営、一層の財政安定を図るために取り組むべき課題として、出資預り金処理の問題があります。県の指導を受けて定款の改定を行いましたが、決算の関係も絡んで、本年度は課題を持ち越しました。

 

 3.組合員の健康と医療を守る活動では、健康診断をはじめ「ふれあい喫茶」の事業など毎月開催することができました。一応組合員の要望に応えることができたと思います。

   湖南診療所の経営については、やむを得ず休診せざるを得ない状況となり、当初予算 を達成できず赤字が発生する結果となりました。しかし、原因は明らかになっており、努力すれば克服することができるものです。

 

 

 4.理事会は監事の出席も得て5回にわたって開催し、事業計画の進捗状況の検討や情勢と新規事業等について、大いに議論を深めて参りました。ふれあい喫茶は11回開催し、組合員のみなさんに喜んでもらいました。理事・ボランテアの皆さんのご協力で継続することができました。